映画「時計仕掛けのオレンジ(1971年)」と元少年A(File.381)
こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。
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以前から気になっていてなかなか鑑賞する機会がなかった「時計仕掛けのオレンジ」。スタンリー・キューブリック監督(2001年宇宙の旅 ・シャイニング・フルメタル・ジャケット)の作品。
少年犯罪が起こる度に、評論家の口から出て来るこの映画作品。断片的なシーンはYoutubeなどで観た事があったのだが今回、amazonプライムビデオの無料鑑賞作品としてラインナップされていたので初めて通しで鑑賞した。
学校にもいかず無軌道に暴力・輪姦・強盗・窃盗を繰り返す少年と社会の関わりを描いた作品で、20年前の神戸児童連続殺傷事件を思い出した。
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犯行時14歳の元少年Aの生き様を予言したかの様な作品。
元少年Aは、14歳で弟の同級生を含む複数の児童を連続殺傷、補導後、医療少年院で矯正教育をうけて成人となり出所。
消息不明状態が続くものの突如、遺族の意向を無視し犯罪手記「絶歌」を出版。
元少年A公式サイト(ナメクジアート)を開設。有料メルマガを開始しようとしたものの世間のバッシングにより敢え無く頓挫・閉鎖。
その後、週刊文春に住居を調べられ直撃取材で咆哮した模様が写真入りの記事でスクープされる(2016年02月25日号)。
「絶歌」の印税で遺族に賠償を申し出るものの拒否される・・・当たり前。
精神分析的には、攻撃性や性欲や物欲は人間の欲動の現れであり、それを包含した上で人は人なのである。ルドヴィコ療法により『時計じかけの“オレンジ”』化した主人公は逆に大きな欠損を抱える事となる。
今も元少年Aは、自殺していなければ、彼の書にある彼の表現を用いいれば「今頃になって生きることを愛してしまった」のならば、この地球上のどこかで新しい名前KM氏として生き続けている筈だ。
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