ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

映画「凶悪(2013年)」の 考察 (File.169)

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

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ネットで検索すると基本情報はすぐ出てくるので省きます。この「凶悪」と言う映画は実際に起きた凶悪殺人事件「上申書殺人事件」を基に作成されました。

キャストは、「ピエール瀧」「リリー・フランキー」。このコンビを怒らせたら手に負えない感半端ないです。実際の殺人シーンとか「ぶっこむ」のひと声で、あれよあれよと言う間に、宴会の余興の様な感じで人が殺されていきます。

本当は「ピエール瀧」さんは凄くいい人なのはラジオを聴いていてわかるし、「リリー・フランキー」さんに至っては、同時期に公開された映画「そして父になる」で、福山雅治さんと一緒に子煩悩な父親役を好演されていて、役者さんって役になりきれて本当にすごいなぁと思います。簡単に人が殺されていくシーンは観ていて嫌悪感半端ない映画です。

で、問題追求側の雑誌記者に扮するのは山田孝之さん。最新作では「何者(2016年)」で大学院生を演じておられますが、本作では社会正義を標榜し事件(容疑者)を追求する週刊誌の記者の役。家庭はほっぽらかして、痴呆の母と奥さんを犠牲にして、取材を強行。まるで本ブログで先に取り上げた(File.125)ゾディアック(2007年)の謎解きにはまった新聞社の男と同様でした。

山田孝之さんは不思議な魅力のある俳優さんで、好青年であったり、あんまり宜しくない組織の頭の役だったり、色々な表情で演技できる方で、スクリーンに登場する度に、期待感が高まります。

TBSラジオのシネマハスラーでライムスター宇多丸師匠も言われてました。この作品、「ピエール瀧」「リリー・フランキー」「山田孝之」この三者をキャスティングした時点で、既に5億点でてるんです・・・。間違いありません。邦画を観ている人は一様に納得する筈。

金になる老人は保険金をかけ、自殺に見せかけて殺す。借金まみれの老人は、絞め殺して、焼却炉で燃やす。残忍な殺しもまったく意に返さない犯人グループ。

しかし、身内や仲間に関しては情が深く(疑似家族状態)、だからこそ裏切りは許さない・・・この辺で、激昂するピエール瀧さんの演技演出が活きて来るわけです。

こう言う性格の人のことを精神分析の世界では「肛門期的性格の人」と呼びます。

肛門期:固執、保持、破壊、喪失の四つの言葉を軸に性格が形成されます。

肛門期性格の人は、マルかバツか、ゼロか百か、黒か白かの二分法で、どちらか一方しか表現できないので、程良さに欠けます。

極端な方向に弾けると「他人は徹底的に攻撃利用する。仲間内は徹底的に擁護信用する。」といった様な人格になり、他人や周辺の人々と適度な距離感を持って関係を築く事ができません。

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