ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

ベスト電器 北田光男 の精神分析的考察(File.048 )

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

前々から書き留めて置きたかった北田光男さんの事。

進志崇献(しんしそうけん): lacan.msl.f@gmail.com

1953年09月創業のベスト電器は、当時メーカー優位の家電販売業界にあって、創業者の北田光男氏が辛酸を舐めながらも「安売り」を前面に押し出した販売手法で日本一の会社にした。1979年(昭和54年)度から1996年(平成08年)度まで日本で業界シェア1位の家電販売店チェーンだった。

福岡発の企業で業界トップにまで伸し上がった企業は、ロイヤル、カメラのドイベスト電器などが頭に浮かぶ。

ネット検索すると最近のベスト電器の経営の混迷ぶりを扱った記事ばかりで、福岡人としては面白くないので、私の記憶の中の「ベスト電器」と「北田光男」さんの事を書き留めておきたいと思う。

高度成長期の中にあって、家電はブラウン管テレビが主役の時代。白黒からカラー化されるテレビを目の当たりにしたり、中学生になったらラジオカセットテープレコーダーを個人が楽しむオーディオとして購入したり、庶民の生活の中にあっては「家電」は豊かさの象徴であった。

福岡市中心部に住んでいる家電大好き少年の僕達がチェックする店は、当時、福岡県庁の側にあった「ベスト電器本店」と「嘉穂無線」。ベスト電器の建物は1990年頃に建て直された筈。僕たちは昔の「B」マークのベスト電器を知っている世代。嘉穂無線は、今で言えば天神西通りのNTTの側にあった記憶があるのだが、今は天神今泉に引っ越している。不思議な電子基板やパーツ。自作スピーカーの工作セット、理系少年達は、買いもしないのに商品カタログを沢山持って帰って、自室で眺め悦にいっていた。当時は、ネット環境もないから、憧れの商品を見たり触ったりしたければ最寄りの店舗に出向くしか無かったのだ。

たしか、映画「ゴジラVSキングギドラ(1991年)」では、キングギドラに破壊される福岡の建物群の中に破壊光線で壊されるイムズはあったのだが・・・。「ゴジラvsスペースゴジラ(1994年)」ではベスト電器がタイアップしているので、これみよがしに新ロゴのベスト電器天神本店(建て直し)が銀幕に映し出される。

今にして思えば、この時代の「ベスト電器」と「北田光男」氏の黄金の日々だったのかもしれない。

私が勤務していた会社の設立10周年記念式典に来賓としてベスト電器会長の北田光男氏が招かれた。場所は福岡市民会館だったと記憶している。1991年冬の頃だったと思う。北田光男は(1914年大正3年3月21日生まれ) なので当時77歳だった事になる。それにしては迫力があった。

まず第一声。僕が今日、こんな式典に呼ばれるのは実績があるからですよ。なにも無ければ呼ばれない!・・(カウンターパンチを喰らったみたい)。

商品調達には大久保さんにもお世話になりました。でもね、僕がビジネスを始めた時は、メーカーさんからテレビを仕入れても、店に届くまでにブラウン管がポンポン割れるわけ、当時は、損害保険の支払いで儲けたみたいなもん(笑)。

最初、僕の店は北田光男商店、略して北光商店と言っておったんだけど、その後、バーゲンセンターと改称して頑張った。売上は伸びたんやけど、取引先から「自分とこの商品をバーゲンには出したくない」と言われたから名前を「ベスト電器」に変えた。バーゲンからベスト。「B」のロゴを変えたくなかったからね。

ベスト電器の新しいロゴどうですか?(当時ベスト電器はBマークからロゴを一新したばかりだった)。このロゴには3つの理念が込められています「存在」 「経営」 「行動」すべてはお客様の為に・・・(略)。

君たちは、中洲は男を泣かす(中洲)ところだから取引業者と行ったらいかんよ。特に女を抱かされたらいかん。まぁ、うちのバカ社員はゴルフどもうもぅなってから、仕事はできんで苦労する。やおいかん(笑)・・(ベスト電器の幹部になったら取引先からソープランドやゴルフコンペに招待されて接待漬けにされるらしい)。

・・・取引先の設立10周年記念式典の挨拶としてはなかなかインパクトのある話だから、25年経った今でも自分が書き残せるのだが・・。

この後、北田会長への質問タイムになった時に、たまたま身障者の方が指名されたんだけど即起立できなくて・・・その時、北田会長は、そうかそうか、いや、自分もちょっと足が不自由でね・・。と話されたのを覚えている。

北田光男氏は、それから約10年後の2002年11月25日、腎不全のため永眠された、88歳でした。ただ、不幸は続くもので、それからちょうど1年後、実子で後継社長の北田葆光氏が呼吸不全のため、福岡市の自宅で死去。享年62歳。

カリスマ経営者と後継社長が相次いで亡くなる事態で、この後のベスト電器の経営に関する話はネット上に掃いて捨てるほどあります。

北田葆光氏に関しては福岡大学出身でテニスが趣味と言う事くらいしか記憶にありません。

世間でよくある話と言えばそうなのですが、あまりにも偉大な父を持つと、子どもはその高い高い山を越えなければならず、葆光さんの心労は察して余りあるものだったと思います。

光り輝くピカピカの家電やオーディオ機器を僕達に見せてくれた北光商店のおじさん、ありがとうございました。そして、お疲れ様でしたと声をかけたい。

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