ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

『逃げ恥 最終回』精神分析的考察(File.180)

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

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普段、まったくテレビをみない私。

でも、逃げ恥の存在は、Youtubeの【恋ダンス】羽生結弦くん × 織田信成さんで知っていて、たまたま京都出張中のビジネスホテルで最終回のみ見ました。

で、みくりちゃんと平匡君の関係はどこに落ち着いたかと言うと、・・・

平匡君:生きて行くのって、めんどくさいんです。それは、一人でも二人でも同じで。どっちにしてもめんどくさいんだったら、一緒にいるのも手なんじゃないでしょうか。騙し騙しでも、やっていけないでしょうか。やってやれないことはないんじゃないでしょうか。みくりさんは、普通じゃないって言ったけど。僕からしたら今更です。とっくに知っていました。大したことじゃありません。僕たちは、最初から普通じゃなかった。今更ですよ。青空市、楽しみにしてます。お休みなさい。

赤の他人に夢中になって、残りの人生を一緒に歩みたい!と思うこと自体、平素からすれば「普通じゃない」のだが、人は恋に堕ちると、普通でなくなる。婚姻届に判子ついて区役所へ、これで夫婦の出来上がりだ。最近は、順番を間違ってお子様が先に誕生しているケースもザラ。

さて、バタバタして・・新居も決まって新生活が開始されるのだが、のぼせて結婚しても実生活を継続させるのはなかなか難しくて・・。

みくりちゃんは劇中で、主婦の生活費=最低賃金+雇用主の評価(愛情)と分析する。でも、愛情は数字化できない・・・と。

共同生活の面倒さは、二人で一緒にいる事の幸福感で解消する。だから、二人の共同生活は継続できる・・「愛があるから大丈夫」な筈だったのだが、二人で一緒にいる事が「イヤ」になった途端、そもそも共同生活は面倒なのに、一緒にいる事が「イヤ」になったら、その時点で結婚生活は意味がなくなる。「配偶者選択を誤った」と悟っても「世間体もあるし離婚はしたくない」「子どもの事を考えるとシングルマザーで生きていくのは経済的に無理」。結果、世の中には「家庭内別居夫婦」「仮面夫婦」「セックスレス夫婦」が数多存在する事になる。離婚はしないにせよ、父母の冷たい関係性が子どもの成長にとってよろしい筈もなく、家庭生活を継続できない人々の増産につながっていく。

この平和の日本で3カップルの内、1カップルは離婚しているのが現状なのだ。貴方の周りを見渡してみて下さい。バツイチ、バツニは当たり前でしょう?

だいたい今時のカップルで「みくり&平匡」カップルの様に率直に対話して、お互いの気持ちを理解し、互いの立ち位置や考えを修正・調整し関係性を築いている人達っているのだろうか?言葉を持っていない男性(父性の欠如)が殆どなのではないだろうか?

ある人のブログに対話できない男の具体例を「相手の発言はさえぎる。途中で投げ出す。大声を出してごまかす。」と指摘されていた。最近は、その上にDV:家庭内暴力の行使が付随しているのでは?

田嶋先生はある番組で平匡君の事を「人工知能の様な男」と発言されていたようだが、人工知能ならまだましな方で、女性からみたら「大きな子ども」の夫が殆どの筈。

精神分析の世界でいうところの「父性を持った男性」は絶滅状態なので、しかるべき養育環境下で育つ人が少なくなり、ますます、日本社会において家族が崩壊が進むのが現状。
そう言う意味においては「逃げ恥 最終回」と言うドラマの落とし所としては妥当な印象を持った。

「みくり&平匡」カップルは希少カップルと思います。

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