ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

「海賊とよばれた男(2016年)」精神分析的考察(File.175)

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

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今日、ユナイテッド キャナルシティ博多で観てきました。エンドロール終了まで席を立つ人もなくお行儀良い鑑賞者の方々でした。

百田尚樹の小説の映画化で「永遠の0」と同様に岡田准一主演作です。事前に予備知識などは仕入れずに、なるべく先入観のない状態で鑑賞しました。

戦前、戦中、戦後に跨ってほぼ史実に忠実に描かれている様で、国岡鐵造=出光佐三と読み替えていいと思います。

映画の解説云々はさておいて、九州人としては、主人公が今で言う北九州市の出身ですので「いっちょ、やってやろうやないか」「油もってきたけ」と言う威勢のいい北九弁が耳に心地よかったです。

あそこら辺で有名人と言えば・・・らしいのは元オリックス仰木彬監督でしょうか?侠気が合って、ちょいとヤクザで。

実際、出光という会社は、創業時より上場前まで「大家族主義」という日本的経営を標榜し、タイムカードや定年制が無かった(勤務時間管理及び定年制が導入されたのは近年)、東京証券取引所一部に上場したのは、2006年(平成18年)10月24日の事。

物語の後半、主人公の国岡鐵造が自ら「博打をし続けてきた会社」と言うシーンがありますが、博打をするならするで、入念に手を打ってからハル博打なので、ただ運が良かったと言う博打ではないと思います。

実際、石油メジャーと戦うため、石油の供給元にイランに目をつけて、大英帝国と伍しながら、日章丸(劇中では日承丸):出光興産の自社タンカーで、石油の輸入に成功するなど、民族系石油輸入業者として、確固たる理念で日本のエネルギー供給に道を開きます。
しかしながら、そのイラクでさえ、数カ月後にはCIAの諜報活動で政権がクーデターで倒れる様な状況が発生しますし、高度成長期に石油メジャー以外から石油を供給する事を考えた日本の宰相:田中角栄ロッキード事件で政界から消えることになりました。石油メジャー恐るべしと言う感じがします。

さて、精神分析的な話をすれば、やはり国岡鐵造=出光佐三の様な「父性」もった経営者やカリスマが今、どれだけいるでしょうか?と言う事です。

最近、日本の名立たる企業の歴代トップが粉飾決算で背任罪で訴えられたり、あらあら一体どうしてしまったのか?と言う感じがします。

現実にはリアル出光興産も2016年09月現在、昭和シェル石油と2017年04月を目指した経営統合(合併)を巡り創業者一族と経営陣の間で協議が行われているが、創業家側が株主総会で反対を表明し、協議が中断している。

創業家と企業の関係もまた難しい問題で、グリコもついこの間まで江崎グリコだったし、やっとパナソニックになったと言ってもやはり企業体として松下電器のイメージは払拭できないし、ホンダは創業者の本田宗一郎氏自身が「企業名に自分の苗字を入れたのは失敗」と著書に書いていたし、トヨタ社長の豊田章男さんも舵取りには苦労されている様だし、福岡のベスト電器は北田光男商店から一代で築き上げた小売業だが、経営の迷走は誰の目から見ても明らかで、カリスマ経営者と後継者が急死する不幸も重なって、かつての輝きは戻ってこない。

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