ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

ペットの心理学の考察(File.151)

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

進志崇献(しんしそうけん):lacan.msl.f@gmail.com

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以下ネットから引用

室内飼いのストレス…犬猫の問題行動に「心の病」

読売新聞(ヨミウリオンライン) 11/29(火) 12:11配信

自分の生活に合う犬種

ヤマザキ学園大学講師で獣医学博士の茂木千恵さんの話

核家族化や共働き家庭の増加も、ペットの問題行動が増えた要因の一つだろう。子犬の時期から長時間の留守番をさせたりしていると、暇を持て余していたずらをしたり、もの音に過剰に反応してほえたりする場合がある。心身ともに満たされていれば、そうした行動はしない。

以上ネットから引用

精神分析の世界では、動物は文字を持っていない=象徴界を持っていないので動物の精神疾患はないと言う考え方だった。動物は本能的な欲求で生きていて、何も悩まなくていいなぁと思っていたのだが、俳優の萩原流行さんと奥さんの共著「Wうつ うつが、ふたりを本当の夫婦にした。(2009/06/30)」を読んだ時に、萩原さんいわく「ペットの愛猫の小鉄君が僕のウツをもらって脱毛症になっちゃった」と言う記述があって、ペットにはウツが伝染るんだと認識した。

生き延びるためのラカン 斉藤環から引用

投影のように「内面にあるものを外の対象に映し出す」ことは、もっとも基本的なこころの働きのひとつだ。ここで「映し出されているもの」が何であるかによって、「投影」のほかに「同一化」と「転移」がある。「投影」で「映し出されるもの」は、「自分の中にあって認めたくない、排除したい感情」だった。じゃあ「自分の中にある良いもの」が映し出されることはないのか。もちろんある。こちらの場合は「同一化」の作用を考えなければならない。

犬や猫などのペットをわが子のように可愛がる人は、ペットに「同一化」している。映画に夢中になって、すっかり主人公になりきっているような場合は、主人公に「同一化」している。ここでいう「同一化」は、こうした「感情移入」とか「思い入れ」と同じように考えて構わない。いずれの場合もペットや映画の主人公などに「自分自身」、とりわけその良い部分を映し出しているからだ。

ラカンの転移に関する発言には、転移があたかも「情報」の流通のように描かれているこれに関連してラカンが言った言葉に「知っていると想定される主体」という、有名な言葉がある。これは治療中に転移が起こり、その結果、患者が治療者のことを、まるで全知全能の存在であるかのように感じはじめるような事態を指している。「このひとこそ、自分の欲しいものを持っているひとだ!」という感覚ね。もちろんそれは事実ではないんだけど、そう感じるからこそ、転移の感情は保たれていく。その意味で、これは非常に本質的で重要な感情ではあるんだ。

以上引用

動物には象徴界はないが、人間が勝手に動物(ペット)を同一化し投影、転移する心の作用は発揮されるのだと思った。

ある萩原流行さんへのインタビュー記事に以下があった。以下引用。

萩原 だって、どんなにクタクタになって帰ってきても、小鉄(萩原さんの愛猫)がひざの上に載るとスーッと疲れが取れていったんだもの。あれは僕が背負ってきたイヤな ものを、小鉄が吸い取ってくれていたんだよ。それでいて、僕が考えごとに集中しているときなんかは、決して近寄ってこなかったしね。

以上引用。

人間社会と密接に関係を持って生活してる犬猫は、例え象徴界を持っていなくても「感情」を介しての「転移」は成立すると言う事なのだろうか?

屋内で生活している猫にしてみれば、飼い主が餌をくれなければ生きていけない存在で、ペットと飼い主の関係は、寄る辺ない子どもと母親の関係の再現と言える。母親がウツ状態である事=子どもにとっては生存の危機。

ペットの猫は本能的に、飼い主の精神的な危機を自分のストレス(生存の危機)として受け取って、ネコの精神疾患を表象化すると言う事か・・・。

日本では家族を一緒に生活する子どもの数よりも、ペットの数が多くなったらしい。ちまたで「ペットの心理学」が流行するかもしれない。試しに検索してみるとAmazonにはその手の本が多数ヒットする。

犬と家族の心理学―ドッグ・セラピー入門
ペットと生きる―ペットと人の心理学
動物たちは何を考えている? -動物心理学の挑戦-
イヌの心理学 愛犬の気持ちがもっとわかる!

日本の場合は、捨てられたペットが多数、殺処分されている事の方が問題の様な気がする。ペットに限らず、自分自身や子どもを殺し続けている人々が多数いるのも大問題。

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