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ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

「この世界の片隅に(2016年)」 精神分析的考察(File.139)

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

進志崇献(しんしそうけん):lacan.msl.f@gmail.com

ラカン精神科学研究所 福岡 公式サイト
http://lacan.agency-inc.com/

京都で講習中に鑑賞を思い立ち上映館を調べたところ、いつもの「T・ジョイ京都」「MOVIX京都」では上映していない。京都市内では「イオンシネマ京都桂川イオンモール京都桂川)」でしか上映していない。私はJR京都駅から二駅移動したJR桂川駅へ。11月23日は勤労感謝の日で国民に祭日、水曜日は「レディースディ」・・「ひょっとしたらすごく観客数が多いのではないか」と想像したら案の定。チケット完売・満席となった。ここ数年、精力的に劇場での映画鑑賞をしているが「満員」に初めて遭遇した。

満席で上映される「この世界の片隅に」いやが上にも期待は盛り上がる。

この世界の片隅に

劇場映画の鑑賞前に他の作品の予告映像が流される。多くは、翌月公開される作品であったりする。予告をみた限りでは「センセーショナル」な作品には思えないし「昭和初期の青春ファンタジー」ならあまり興味ないし・・と、鑑賞対象から外していたのだが・・そこは、例によってTBSラジオ週刊映画時評ムービーウォッチメンの番組内で、番組スタッフが一押しで無理やりムービーガチャで選んで批評対象にされていたので「これはみなければ!」と自分の鑑賞態度を改め急遽鑑賞する運びとなった。

ちなみに、「この世界の片隅に」は、こうの史代による日本の漫画作品。『漫画アクション』にて2007年1月23日号 - 2009年1月20日号まで連載。

<すず激怒の終戦シーン>

主人公の「すず」は、のほほん・ふんわかした性格。戦況が悪化しても、状況を受け入れ淡々と生活している。そんな「すず」を見て、周りは「お前が普通で安心する」と言う。姪と繋いだ右手首が吹っ飛んでも、嘆きだれかれを憎むわけでもない。小姑(義姉)の径子に「あんたがついていながら・・人殺し!」となじられても。

すべてを受け入れている様にみえる。

ところである、08月15日敗戦が決定し玉音放送が流れる最中、国民は口々にほっとした思いを語っているのに、「すず」は一人「日本は最後の一人になるまでたたかのでしょう?私には左手も、両足も残っているぞ、ここにもまだ5人も人がいるぞ!」言わば「すず」は一人で徹底抗戦を唱えたのだ。

なぜだろう?

日本は神の国で、日本国民は臣民で、欧米に植民地化されたアジア諸国を解放する事を約束したではないか?と抗議しているのだろうか?

兄や姪(晴美)に犠牲はなんだったのか!と言う叫びなのか?

このブログの読者のみなさんはどう感じましたか?

<原爆描写1>

広島市に落とされた原爆の爆風で、呉まで飛ばされた「回覧板」が飛んでくる。すずの家の庭の木に「障子」が引っかかっていた。Google地図で確認してみると広島市役所と呉市役所の間の距離は約25km。中間地点は12km。

以下引用

爆風の先端を進む衝撃波(しょうげきは)は、30秒後に爆心地から約11キロメートルの距離まで達しておとろえました。

以上引用

小学生の頃から平和教育をしつこく受けさせられた私たちは原爆の恐ろしさをイヤと言うほど刷り込まれた。そんな私だが、広島の「回覧板」や「障子」が呉まで飛ばされたと言う話は初めてきいた。

10Kmなら、大人が自転車で1時間で移動できる距離と体感してよい。

<原爆描写2>

ラストシーン近くで、広島で被爆した妹とすずが会話するシーンがある。「おねーちゃん、私なんかこうなんよ」といいながら、妹が左手を持ち上げると上腕部に青痣(あおあざ:内出血による)がみえる。

爆心地5キロメートル以内で放射線を浴びた被爆者は急性放射線症を発症しています。急性放射線症の症状のひとつに青痣が上げられています。

・・と言う事は、すずの妹も放射線症にかかっており、父、母、兄、妹・・家族全員を戦争で奪われた事になります。

火垂るの墓(1988年)>

野坂昭如氏の短編小説でスタジオジブリによって劇場アニメ化された。私の記憶するところでは、非戦闘員の戦中戦後の困窮生活を描いた作品。妹も兄も亡くなってしまう悲しいストーリーだった。物語の舞台は神戸。戦争孤児状態の兄妹が追い詰められていく様が描かれており「非戦闘員にとっても戦争は過酷なもの」と認識させられた。レンタルビデオ全盛時代だったので、何回も繰り返し見た記憶がある。子どもに見せるとしたら「この世界の片隅に」の方がおだやかに受け取れるかもしれない。

町山智浩 評>

映画評論家の町山智浩さんが「この世界の片隅に」に各所で登場する虫達は隠喩、暗喩表現で登場していますと語っておられた。例えば「砂糖が配給制になるシーンでは、カブトムシは思いっきり樹液を吸っていた」など。

鳩子の海

この世界の片隅に」登場する原爆孤児の女の子。あの子こそが「斎藤こず恵」が子役をつとめた「鳩子の海」の鳩子ではなかろうか?この話についてこれる人は、歳がばれちゃいますね。興味のある人は「鳩子の海」で検索。

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