ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

映画 ゾディアック(2007年)の精神分析的考察(File.125)

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

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ゾディアック事件(ゾディアックじけん、英: Zodiac Killer)は、アメリカ合衆国の連続殺人事件。現在も継続捜査中で犯人は断定されていない。「ゾディアック」とは、犯人が手紙の中で使っていた自称である(This is the Zodiac speaking.)。1968年から1974年のサンフランシスコで警察が確認できた被害者5名を殺害。現在も犯人不明のまま、事件は解決されていない。

以前から観たいと思っていたゾディアック。この作品、尺が長いなんと2時間40分。3時間こじ開けなければ鑑賞できない。

昨今はありがたいことにAmazonプライムで字幕版・吹替版どちらでも鑑賞可能。

町山智浩さんの映画解説動画を参考にしたりするんだけど、2007年に上映された1960~1970年代のアメリカ社会を描いた作品なので、現実にはCGを使って古い街並みを再現していて、きっちり手間暇費用をかけた映画なのである。殺人現場に登場する車も60年代の車を当時の実動車として再現されている。ちゃんと時代考証がなされている作品である。

映画の出来はさておいても、ゾディアックは犯罪史に残る事件なので観ておいて損はない。

日本でもTV番組の未解決特集番組で度々、取り上げられている。

1997年(平成9年)05月27日に日本で起こった「神戸 酒鬼薔薇聖斗 少年A 事件」で、少年Aが地元の神戸新聞社に送った「さぁゲームの始まりです」と言う犯行声明文やマークは「ゾディアック事件」を参考にしたと、後に元少年Aが出版した「絶歌」でA自身が告白している。

映画のソディアックは日本ではPG12指定となっている。殺人シーンでは、拳銃の発砲は勿論、湖の辺りで被害者がナイフでズボズボ刺されるシーンがあって青少年がみるのは宜しくない。

この映画、劇中で描かれているのは捜査員が犯人を追い詰めるシーンではなく、犯人がマスコミ関係者や捜査員を翻弄する姿だ。


私の記憶では、日本国内で捜査員が翻弄された大規模な劇場型犯罪と言えば「グリコ・森永事件」。

グリコ・森永事件とは、1984年(昭和59年)と1985年(昭和60年)に、阪神を舞台として食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件。犯人が「かい人21面相」と名乗ったことから、かい人21面相事件などとも呼ぶ。「どくいり きけん たべたら しぬで かい人21面相」」が流行語となった。

1984年、私は社会人になる直前だった。かい人21面相は、グリコの社長を拉致したりする過激な犯罪グループだが、無関係な一般人に危害をくわえていない(無理やり、身代金の受取人に仕立て上げられたアベックはいたが)。コンビニやスーパーからグリコ・森永の製品が一斉に撤去され社会問題に発展、なかなか犯人を捕まえられない警察は世間の非難が集中し、捜査の不手際の責任をとって滋賀県警察本部部長が焼身自殺をした。

ところが、私の学生時代の仲間達は、不謹慎かもしれないが「警察が翻弄されているのを喜んでいる」輩が普通にいた。これはどういう現象かというと、1980年代がテレビで刑事ドラマが大流行だったのに起因している。

1978年 Gメン75
1979年 太陽にほえろ
1979年 熱中時代・刑事編
1984年 特捜最前線

上記の人気テレビでラマとしてお茶の間に登場する刑事さんはかっこいいのにリアルな警官は「おいこら!免許証」的な人が多くて、テレビと現実の差が大きく、なるべくリアル警察には関わり合いたくないと思っているところに「警察のアホどもへ」のかい人21面相の登場は、警察を煙たがっている輩にとっては正しく「ざまーみろ」状態であったのである。

先般、週刊誌をみてみると既に時効を迎えているのに、未だに「かい人21面相事件」の取材を続けている人(元記者)がいるとの記事があった。アメリカでゾディアック事件を追い続けている人がいるのと同様。

そうそう、週刊誌の記事を読んで、私も気になっていた事を思い出した。犯人が送りつけてきたカセットテープに子どもの声で「身代金の置き場所の指示?」が録音されている奴があった。小学校低学年位の声だろうか?事件発生から30年以上が経っているのだから、あの声の主も30半ば~40歳近い年齢になっている筈だ。

実は、あのテープの声・・僕なんですって言う話が出てきたりするのでは?と思っているのだが・・・事件発生から20年経って少年Aが「絶歌」を発表した様に。

この人の「解けない謎を解きたい」「知らないことを知りたい」「本当の事を知りたい」と言う欲求はどこから湧いてくるものなのだろうか?

精神分析の世界で「欠損」と言う言葉がでてくる。幼年時代に母から世話を受けられなかった人に対して「愛情欠損」と言うような使い方をするのだが、本来、あるべきものがな。欠けている部分を埋めたいと言う生理的欲求はその辺が源泉なのかもしれない。

穴埋めパズルは正しく、欠損を埋めるケームである。

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