ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

映画「何者」精神分析的考察(File.075)

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

進志崇献(しんしそうけん):lacan.msl.f@gmail.com

桐島、部活やめるってよ」の朝井リョウの原作の「何者」の映画化です。

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桐島、部活やめるってよ」では高校生活のキビを描いた小説で、吉田大八監督が映画化。ロングランヒットし、社会現象に発展した。「何者」はSNS時代の就活をテーマにした小説で三浦大輔監督で実写映画化。

いやぁ観て来ました。「桐島、・・」は各々の高校生活を思いださせ、登場人物の誰に感情移入できるか?がホッとな話題になりました。

さて「何者」はどうでしょうか?もちろん、私が就活した30年前は「就活」等と言う言葉もなく、世の企業は大量採用の時代。完全な買い手市場。内定がもらえなくて、10社、20社まわらなくてはならないと言う事はありませんでした。大学4年には内定もらって夏には卒業旅行が当たり前と言う時代でした。

さらに、今の様なネット環境もありません。ブログもツイッターもラインもありません。携帯電話もありません。基本人対人のコミュニケーションはフェイスTOフェイスか固定電話の時代です。

就活はその後の各々の生活スタイルを決定する問題ですので真剣です。

映画「何者」を観て驚きました。登場人物同士が顔を会わせている時の会話と、当事者不在の時の周りの噂話や批判、正規アカウントのツイッターと裏(かくし)アカウントのツイッターの裏表の発言の違い。LINEやブログでのアピール。人々はコミュニケーションのあり方として沢山の「ペルソナ」を使いわけて生活しています。

「ペルソナ」とは仮面の意味です。

まるで、正常な分裂症にかかっている様な気がします。

表面上はフレンドリーに付き合っているものの、ツイッターの裏アカウントでは、冷笑していたり・・本性が知れる瞬間が怖いです。ん?パーソナリティ障害か?と思わせるくらいゾッとする。

ネット上では「何者」を就活ホラーと称している向きもあった。

なるほど。

本来の自分の姿を捻じ曲げて、企業が求める新入社員像に無理やり自分を合わそうとする。それは、すごくストレスを感じる事だし、面接を受ける度に「不採用通知」が届けば、自分が世の中から必要とされていないように感じられて、凄まじい疎外感を感じる。考えるだけでウツになりそうだ。

企業に入ったら入ったで、組織の中で自分を職場の仲間と認めてもらい、その時々で必要とされる人材になっていかなくてはならない。私達の世代に様に「人材の不良債権」などと揶揄されないように。

先に入社1年めの女子社員:高橋まつりさんがクリスマスに飛び降り自殺する悲劇があり、先に「過労死」と労災認定された。

これでは、せっかく就活してもなんの為に頑張ったのかわからない。せめて、家庭に戻ったら心身ともにリフレッシュできる環境であって欲しい。

毎年、健康診断をするように、心の健康にも関心を持つべきだと思うのだが・・

心の病、親子関係、引きこもり、子育て、子どもの非行など、ご相談承ります。

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