ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

子育て 母子関係の重要性 のセラピー(File.073)

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

進志崇献(しんしそうけん):lacan.msl.f@gmail.com

電通過労死事件の高橋まつりさんを症例にして母子関係を説きます。

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精神発達論を学習すると、これでもか!と母子関係の重要性を学ぶ事となる。人間誰でも母から生まれ、最初の人間関係を形成する。よほど特殊な事情がない限り、産みの母親が養育者となり乳を与え世話をする。人が生まれ最初に愛着し信頼関係を築くのは母親なのである。

これからの人工授精時代、冷凍精子の取り違えが発生する事態も予想されるので、なお一層、父親の立場は危うくなる。

子どもからすれば、国の体制がどうなろうと、第三次世界対戦が始まろうと、母は唯一無二の絶対的な存在の最後の砦なのである。

全世界の人が敵となっても、母だけは自分を信じて味方となって受け入れてくれる。母とは最終防衛線なのである。

高橋まつりさんと、実母の高橋幸美さんの関係性はいかなるものであったのだろうか?きけば、高橋幸美さんは女手一つで高橋まつりさんを育てたという。母ひとり子ひとりの家族である。高橋まつりさんは母を楽にさせたいと猛勉強して東京大学へ現役入学。昨年、大手広告に入社の運びとなったのである。

それから僅か八ヶ月後、高橋まつりさんが投身自殺するクリスマスの早朝、高橋幸美さんに「仕事も人生も、とてもつらい。今までありがとう」というメールを送ったそうです。母:高橋幸美さんは慌てて電話し「死んではだめよ」と話し掛けると「うん、うん」と力ない返事があったと言う。

数時間後に、高橋まつりさんは自ら命を絶ってしまった。

たぶん、高橋幸美さんは高橋まつりさんがすでに「うつ状態」で、のっぴきならない状態に追い込まれていたのを認識できてなかったのではなかろうか?

高橋まつりさんのツイッターのつぶやきには既に「死んだほうがよっぽど幸福」(自殺念慮)と記されていたのだ。「死んだほうがまし」と思うまで頑張りすぎてうつ病(状態)になっている人に「頑張って」と言うのは、NGと言うのは半ば常識となっている。

うつ病患者が自殺するのは、前駆期、極期、回復期のうち回復期であると言われている。母にメールをうつ位の気力のある時(クリスマス)に「死んではだめよ」と実母から苦しみから逃れる道を閉ざされた事が、高橋まつりさんにはショックな事だったのかも知れない。

もし、高橋まつりさんと高橋幸美さんが同居していたら、母は、娘の只ならぬ状態を察知し、会社を休ませた筈だし、然るべき医療機関を受診すれば「過労」と診断された筈で、返す返すも、悔やまれる結果になってしまった。

高橋まつりさんは、一人で何かも抱え頑張りすぎたのではなかろうか?最後の砦の母には、もっと甘えてよかったのではなかろうか?これから毎年、高橋幸美さんは悲しい気持ちでクリマスを迎えなくてはならなくなってしまった。


大手広告代理店 電通の認定過労死

1991年、大嶋一郎さん(24歳)自宅で首を吊り自殺。過労死で労災認定。
2013年、当時30歳で病死した同社本社(東京都港区)の男性社員を労災認定
2016年、高橋まつりさん社員寮から投身自殺。過労死で労災認定。

心の病、親子関係、引きこもり、子育て、子どもの非行など、ご相談承ります。

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