ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

長谷川秀夫教授 自殺情けない の考察(File.050 )

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

進志崇献(しんしそうけん):lacan.msl.f@gmail.com

過労死情けない 教授処分検討

「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない」と投稿した武蔵野大グローバルビジネス学科の長谷川秀夫教授のブログが炎上し、大学は長谷川教授の処分を検討しているとの報道がなされています。

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自殺した高橋まつりさんの労災認定のニュースと、政府が閣議で2016年版の過労死等防止対策白書(過労死白書)を決定した事への教授のコメント投稿のタイミングがかぶってしまい、ネット上では「死者に鞭打つ投稿」と炎上した模様。長谷川秀夫教授は既に謝罪文を掲載されていますので、処分までは必要ないのでは?と思いますが・・。

この機会に、自身の体験をもとに自殺企図者の精神状態がいかなるものかを書き留めておきたいと思います。

私自身の病気が発症したのは18歳。今から35年前、両下肢の静脈が炎症をおこし皮膚が壊死していく病気。当時つけられた病名が「アレルギー性血管炎」。いくら血液検査しても異常値が出てこず、対処療法を施すしか方法がないからアレルギー性と付けられたのでしょう。私は九州大学附属病院皮膚科の今山先生の患者の一人になったわけです。

悪化するとそれこそ立っていられないくらいの痛みが伴い・・だって炎症しているわけですから、皮膚が壊死すれば腐って膿がでてきます。たしかに仕事どころではありません。ただ、黙っていれば他人には悟られる事はない病気。

病気の症状は良くなったり悪くなったり、騙し騙し仕事をこなすものの、臨界点を越えて、病院に行けば「はい、入院」か「自宅療養の指示」を医師から告げられる状態。バブル期の会社なんて月100時間越えは当たり前で、定時帰宅なんてとても許される雰囲気ではありませんでした。とても「数週間休みたいです」なんて言えません。

仕事はしたいけど病気が悪化すると困る。病気が悪化している事を告げたら、会社組織の中で居場所がなくなる。そんな葛藤が毎日続きます。「痛くない痛くない」と自己暗示をかけ出社。帰宅すれば、玄関に倒れ込み這ってトイレに行く様な生活が続きます。虐待された子どもが痛みを感じなくなる事と同様。人は自己防衛する為には「痛み」と言う感覚すら除去できるのです。もう、誰が何を言っても、聴こえてはいるのですが、頭の中には入ってこないような精神状態になります。何か透明の膜でコーティングされているかの様な感覚。

こんな事がありました。病気の原因を知りたくてドクターショッピングをして苦痛の伴う検査をしまくっている時「検査しても異常がみつからなかった」と知人のおばちゃんに言ったら明るく「よっかたねぇ」と一言。この「不用意な一言」は精神的にこたえて、ガラスにヒビが走ったかの様な衝撃を受けました。所詮、世間の見方はこう言うものなのかと・・絶望的な気持ちになったのを今でも覚えています。そう言う瞬間に攻撃性が他者へ向う精神構造だと「切れて事件を起こした人」とされてしまうのでしょう。そして、攻撃性が自分に向う精神構造だと「自殺」に至ります。

高橋まつりさんの場合、母親の最後の言葉「死んでは駄目よ」が彼女にどう聴こえたのでしょうか?電通に入社して僅か八ヶ月で高橋さんを死に追いやったものはなんなのでしょうか?

私の場合、最終的には、自律神経失調症と診断され心療内科への入院となりました。この時点で「あぁこの仕事は続けられないな」と退職の意志を固めました。

結局、20年近く私を悩ませた原因不明の疾病は、私が実家を離れて(結果的に転地療法)から一度も再発していません。私の病は、今考えると「ヒステリー性神経症」で、広義に捉えれば、学校行く時間になると腹痛を訴える子どもと同じでだったわけです。もっと早くに知っていれば貴重な時間を損する事もなかったのにと後悔の念がぬぐえません。精神分析の世界に「疾病利得」と言う言葉があるのを知ったのはそれから数年後の事です。

先の相模原障害者施設殺傷事件の植松聖容疑者(26)の父親は小学校教諭で、母親は漫画家。秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大死刑囚の両親は青森の信金職場結婚。英国人英語教師リンゼイさんを殺して全国指名手配された市橋達也受刑者の両親は医師。佐世保女子高生殺害事件の加害者徳勝もなみさんの父親は有名弁護士(後に首吊り自殺)。世間を騒がせるニュースの加害者の家庭は世間からみると安定した勝ち組家庭であるケースの方が多く、外面のいい家庭だからと言って子どもが健全に育っているかと言うと相当怪しい部分がある様な気がします。

健康を手にして私は「蘇生」したかの様に人生を楽しみました。自分の足でどこまでも歩ける幸福感を享受し、アメリカ大陸横断の旅も実行しました。

自分自身の心の健康の為に定期的にセラピーを受けられる事をオススメします。

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