ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

テレビドラマ「おくさまは18歳」岡崎友紀 精神分析的考察(File.015)

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

進志崇献(しんしそうけん):lacan.msl.f@gmail.com

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Amazonプライムビデオのお陰で、見逃していた過去作が手軽にチェック出来るようになった。隙間時間でチェックしていくのもなかなか大変ですが、今回、取り上げるのは・・。「おくさまは18歳」1970年9月29日から1971年9月28日までTBS系列で全53回が放送された超人気テレビドラマ。主演:高木哲也役(石立鉄男)と高木飛鳥役(岡崎友紀)。

許嫁(いいなずけ)同士で結婚した夫婦。おくさまは18歳、旦那さんは高校教師(歴史)が同居して新婚生活を始めるものの同じ高校(北辰学園)で生徒と教師と言う立場で転校・赴任。学園長から固く約束させられたのは、学園内では二人が結婚している事は絶対に内緒にする事。約束を破ると、夫婦諸共放校処分の憂き目に・・。隣の奥さんや学園関係者を巻き込んで騒動に発展していくと言うお話。まぁ構造的には元祖「翔んだカップル」と思ってもらってよい。

精神分析的語り>

人から「ライフサイクルの心理学」と言う本を借りて読んでいた。当時、私は百貨店で物販の仕事をしており、食事は社員食堂を利用していた。ご存知の通り百貨店は女性の職場であり、写真食堂で食事をしていると視界に中にいるのは全て女性という時もままある。「ライフサイクルの心理学」の中で人は「無意識」に操られていると言う件を読みながら「あぁそう言うものかな」と思い、ふと自分が見ている光景を意識した。

・・・「そう言えば、なぜか自分はショートカット(髪型)」の女性ばかりを無意識に追っているな」と気が付いた。「もし、自分が付き合うとしたら彼女の髪型はどんなのがいい?」ときかれれば、迷わずに「ショートカット」と返答した。日常会話でも「異性の好みのタイプは?」ときかれれば「明るくて、場が華やぐような人」と答えていた。その時「なぜ?」ときかれたら「ん・・なんとなく」としか答えられなかったのだが、自分の無意識を自己分析してわかった。「自分は岡崎友紀症候群である」と。

私は1963年生まれだから。「おくさまは18歳」放映時、07歳で小学校1年生。精神発達論の段階で言えば、エディプス期(終了)から潜伏期の時期となる。私の場合はちょっと家庭環境が複雑で、母子関係を経て、すんなり「基本的信頼」を獲得できた筈もない発達不全状態で、毎週テレビにかじりついて「おくさまは18歳」の劇中の超キュートは高木飛鳥(たかぎあすか)こと岡崎友紀さんに熱い視線を注いでいたのだから、岡崎友紀さんが理想の女性像として刷り込まれない筈はない。

ちなみに「おくさまは18歳」は放送が始まると同時に人気を獲得し、最高視聴率33.1%を記録。このため2クール26話の最初の放送予定が1年間53話に延長された(全体の平均視聴率は25%)。ちなみに、現在放送中のNHK「とと姉ちゃん」の平均視聴率は22.7%と言うデータをみれば、その国民的人気度も理解してもられるだろう。ちなみに1970年のプロマイド売上ナンバー・ワンも「岡崎友紀」が奪取。その後、1974年まで売上ベスト5にランクインし続ける。今のショートカットアイドルと言えば「剛力彩芽」、今から46年前の「剛力彩芽」が「岡崎友紀」と思ってもらえばよい。

通常、男は基本マザコンで無意識に母の幻影を求め続けるものと理屈付けされているが、私の場合は理想の異性像として「岡崎友紀」が採用されたのであった。現実に、50年以上生きて来たのにも関わらず「ロングヘアー」の異性を好きなった事がない。私も知らず知らずに求める理想的異性像を無意識(コンプレックス)に操られていたのだ。これって結構重要な事実の様な気がする。これを意識できていれば「ロングヘアー」の異性に興味関心を持つ機会を失わなかったのかもしれない。人生の伴侶を選ぶ事は重大事なのだが、にもかかわらず自分が意識していない無意識に左右されている現実がある。

こう言う事実も自分が「精神分析」に大いなる興味を持った要素の1つではある。

おくさまは18歳よもやま話 キャスト編>

46年前・・ほぼ50年前の作品なので、出演者も既に亡くなられている人がいて愕然をする。「あぁ50年経てばそうだよなぁそうだよなぁ」と納得するものの、ネットで調べれば愕然とする事実がでてくる。

まず、夫役の高木哲也:石立鉄男さんは2007年6月1日、就寝中に急性動脈瘤破裂のため静岡県熱海市にて死去。64歳没。高木飛鳥:岡崎友紀さんは現在63歳。2010年7月に行われた第22回参議院議員通常選挙民主党から非拘束名簿式比例代表制でタレント議員候補として出馬したが落選した。岡崎友紀さんにはいつまでも元アイドルでいて欲しかったので、正直、落選の報をきいてホッとしました。岡崎友紀さんの最初の夫はソニー共同創業者盛田昭夫の長男の盛田英夫氏(典型バカ息子)なんだけど、僅か3年で離婚。それなりの波乱万丈の人生を送られています。共演者に目をやると三枚目の教師(海沼)役に寺尾聰。寺尾氏は約10年後の1981年に、ヨコハマタイヤのCM曲だった「SHADOW CITY」に続き「ルビーの指環」が大ヒット。社会現象を巻き起こした。クリーニング屋役に荻島真一さん。僕の記憶に残っているのはNHKの銀河テレビ小説「僕たちの失敗(1974年)」に酒井和歌子と共演。いい味を出しておられたのですが、調べてみると2004年11月11日に胆管がんで死去58歳没。更にハイミス教師(渋沢民子)役で出演しておられた冨士眞奈美さんは、映画版の「紙の月(2014年)」に独居老人役で出演。現在のお歳は78歳。なんかため息が出てきました。

おくさまは18歳よもやま話 時代編>

鑑賞していて撮影時の時代背景が読み取れて面白い。劇中でラーメンは1杯70円で、サッポロラーメンは1杯130円、お隣さんに建て替えてもらった新聞代が月額760円、レストランの高校生のウエイトレスのアルバイト代が日給千円。

劇中に登場する車達も今ではクラシックカー。パブリカ、コロナ、カローラ、ブルーバード、キャロル、車史を語る上での重要な資料にもなります。

あと、作品中に学生運動のパロディーでデモ行進やヘルメットが描写されています。あさま山荘事件が1972年2月19日なので、もちろん番組中に学生運動の活動家が出てくる事はありませんが、それなりに世相を反映していると言えます。番組で主人公たちが宿泊に向う「浮かぶホテル スカンジナビア号」と言う船が登場するのですが、この「スカンジナビア号」2006年09月02日和歌山県潮岬沖で沈没しています。詳しくは検索してみて下さい。・・歴史ですなぁ。

おくさまは18歳よもやま話 ロケ地編>

ネットで検索すると既に「おくさまは18歳」のロケ地探訪をされている方がおられます。ロケ地は東京都多摩市桜ヶ丘4丁目周辺です。文明の利器「Google地図」や「ストリートビュー」を駆使してみると・・。ありました!主人公夫婦の愛の巣。ファンの方が探訪した時、写真撮影されたのが2001年。あぁそれから既に15年経過。愛の巣の周辺は鬱蒼と緑が茂り、50年近い時の流れを感じさせます。そりゃ、当時は携帯もスマフォもコンビニも影も形もないですからねぇ。小学校1年生の時みていたテレビ番組のロケ地を50年後にパソコンの航空写真でチェックする時が訪れようとは、まるで映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のような感覚でパソコン画面に見入ってしまいました。

そりゃ、高木哲也(石立鉄男)と高木飛鳥(岡崎友紀)の間に子どもがいて、孫がいてもおかしくない時が経過しているんですものね。

僕達世代は、この年の3年後、1973年に祥伝社から発行された「ノストラダムスの大予言」著:五島勉によって1999年でこの世が終わると信じ込まされ「40歳までは生きられない」と暗示にかかる不幸な世代でありました。

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