ラカン精神科学研究所 福岡

福岡の精神分析家 進志崇献 が精神分析的視点で綴っています。人はコンプレックス(無意識)に支配されています。

こちら亀有公園前派出所連載終了と口唇期欠損(File.001)

漫画ファンの人には残念なニュースが飛び込んできた。少年ジャンプ連載中の「こちら亀有公園前派出所」は40年の長きに渡って連載を続けてきたのだが、2016年42号をもって終了するという。

まさに金字塔である。私事を書き綴ってみる。『こち亀』の連載開始当初私は13歳。中学生で地元の塾に通っていた。今はもうないが「若葉学習会」というマスク先生が開塾されていた。結構実家は厳しく、漫画本の購入を認める家ではなかったので、こそっと親に隠れて塾の帰り道に週刊ジャンプを買っていた。週刊プレイボーイを購入するのはもう少し後になる。

当時、ブレークしていた漫画は少年警察官の奇妙な日常を描いた「がきデカ」(週刊少年チャンピオン山上たつひこ。「こち亀」の作者は秋本治なのだが「こちら葛飾区亀有公園前派出所」連載初期に「山止たつひこ」というペンネームを使用していた。

当時、中学生だった私は「山止たつひこって山上たつひこのパロディやん」と心の中で笑った。

そんなごくごく普通の中学生にみえた私の心身は・・実は既に変調を来していた。

時折、唇の周りに炎症が出てヒリヒリした記憶がある。ネットで検索すると「なめまわし皮膚炎」と言う病名がついている。ネット上の解説でも「精神的なものが原因の場合もある」と記述しているのもあった。

この皮膚病はずばり!口唇期欠損が原因である。単なる乾燥由来なら、なぜ口唇の周りだけが乾燥するのか説明がつかない。

私自身、この疾病を皮切りに「乾癬」「アレルギー血管炎」・・下肢静脈瘤で悪化した皮膚のような症状・・と矢継ぎ早に皮膚病にかかり、実家を離れる35歳まで悩み苦しむ事になった。

精神分析の世界では、皮膚=自我と言う捉え方をする。

家族の中に厄介な皮膚病患者がいたら、その根源は「心的なものかも?」と疑っていただきたい。

以下ネット上の文献を引用しておく

皮膚に対する新しい考え方 
 ① アメリカの有名な人類学者アシュレー・モンタギューは、生理学、心理学、人類学及び動物行動学のデーターをもとに次のようにまとめています。
 「人間の皮膚は恐らく脳についで重要な器官であり、これに触れて刺激することは酸素や睡眠と同じように身体にとって絶対に不可欠なものである。ことに新生児から幼児期にかけて皮膚接触が不足すると、その後の行動の発達に悪い影響を及ぼす。それ故、赤ん坊は可能なかぎり母の手に抱かれるべきであり、愛撫が過度になりすぎるという心配は無用であると」と。
 ② また、フランスの有名な精神分析学者ディディエ・アンジューは精神分析の新しい潮流として、「皮膚-自我」という概念を導入、発達の初期段階にある子供が、身体表面で起こった経験にもとづいて、自分自身を心的な内容を含む「自我」として表現することにスポットをあてています。
 ③ また、評論家・写真家として有名な港千尋氏は、皮膚を人間と環境が接する場としてとらえ、そこで生じる社会的、心理的、芸術的出来事を触覚文化という新しいジャンルから考察し、触覚の場である皮膚の文化性について述べていますが、それによると、「皮膚と脳は階層的な関係でなく、トポロジックな関係としてとらえられる。皮膚は従属的なものでなく、皮膚を脳のひろがりとし、脳を折り畳まれた皮膚として考えるもので、本質は皮膚にある」としております。


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